2004年。地球は全世界をまきこんで第一次世界うどん大戦の恐怖におびえていた。対立するは「赤いきつね」軍と「みどりのたぬき」軍。みどりのたぬきがそばであるなんて野暮なつっこみはご遠慮願いたい。その両者の力は互角で両軍の兵士は疲弊しながら思い思いの麺をすすっていた。

そんな時「赤いきつね」軍を率いる大国「ヒ・シーダ共和国」の姫君「エミーゴ・リンーゴ」姫は赤いきつねを食べながら一大決心をしたのだ。

「きつねシンポジウムを開いて兵士のモチベをあげるわよ!!」

彼女の発言は国中をすぐに駆け巡った。街では配給すら赤いきつね、たぬきと発言するたびに罰金という厳しい実態に市民は反発心すら抱き始めていたところでのこの発言である。当然市民は怒りに打ち震えた。アンチ・キツネ運動が始まったのである。街中で赤いきつねが大量に燃やされ、「きつね」と大きく書かれた看板にはいたるところにつけたしの落書きで

「きつ〜?

などと風刺に満ちた言葉が書かれていた。



一方その頃。「みどりのたぬき」軍の傘下にある「サイグサ王国」のチエ姫はため息がこぼれるたびに口からたぬきがこぼれていた。

「あ〜あ(ぽろぽろ)なんでワタシは毎日たぬきを応援しなきゃならないんだろう。(ぽろぽろ)」

姫は毎日夢見ていた。赤いきつね軍の生活を。口に含んだ瞬間ジュワッと口の中にしみこんだつゆの味ときつねの汁の味が広がり、やがてそれはかみしめていく間にどんどんと奥深いものになってゆく。そして、幸福に満ちた口の中をしこしことしたうどんがつるっと駆け巡り口の中に何もなくなったときには今までの味の饗宴がうそのようにきれいになくなっている。またきつねの味を楽しむ舞台がすでにできあがっている。そんなきつねの味を毎日夢見ていたのだ。
 そして、ついに姫は決意した。

「赤いきつね軍の国へ逃亡よ。(ぽろぽろ)」

そしてありったけの食料(たぬきだが)をまとめ赤いきつね軍をリードする大国「ヒ・シーダ共和国」へ足を運んだ。



ヒ・シーダ共和国では「黒い豚カレー」の配給などもあり反対運動は下火になっていた。もうこの戦争を早く終えてほしいという気持ちからシンポジウム開催に向けて積極的になりはじめていたのだ。いたるところに告知の張り紙がなされ、シンポジウムは始まる前からその成功を予兆させるような盛り上がりを見せた。亡命した姫もなんとかシンポジウムに間に合い、兵士全員を一同に集めた。




 このシンポジウムが後世に伝えられるクリスマスパーティーだといううわさはまた別の話。。。

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